――五穀の気はなお揺れ、日本の食卓は新たな時代へ向かう――
我は長年、陰陽五行・四柱推命・九星気学・易・宿曜の理を重ね、天地の巡りと国の運を読み続けてきた。
人は金をもって生きるのではない。
まず食をもって生きる。
その食を支えるものこそ、五穀の王と呼ばれる米である。
近年、我が占盤には「土気」と「木気」の揺らぎが幾度となく現れている。
土は大地を司り、木は実りを育てる。
この二つの気が乱れる時、米の運命もまた静かに姿を変える。
我は断ずる。
米価格は一時の変動では終わらず、これからも長い年月をかけて新たな均衡を探す運命にある。
土気の乱れは五穀を揺らす
五行において米は土の恵みである。
しかし土は天候に逆らうことができない。
猛暑。
豪雨。
渇水。
台風。
季節外れの高温。
近年、日本の空には火気が強く巡り、大地には乾きと湿りが極端に入れ替わる相が現れている。
こうした流れは稲の実りにも少なからず影響を与える。
一つの年が豊作であっても、翌年には暑さや雨によって状況が変わる。
我が天盤には、安定よりも「変動」の気が色濃く映っている。
米は再び「安い食べ物」には戻らぬ
我は財庫宮にも視線を向けた。
そこには興味深い相が現れている。
価格は上下を繰り返す。
しかし、その中心となる基準は以前より高い場所へ移り始めている。
多くの者は、
「いつか昔の値段へ戻るだろう」
と願う。
だが天地の巡りは、すでに新しい局面へ入っている。
肥料。
燃料。
物流。
人件費。
農機具。
これらすべてが財の流れと結びつき、米だけが昔の価格へ戻ることは容易ではない。
我が見る限り、米は「高い年」と「やや落ち着く年」を繰り返しながら、新しい価格帯を築いていく運命にある。近年の価格高騰を受けて政府による備蓄米の放出など価格安定策も講じられているが、長期的には生産やコスト構造の変化も価格を左右する要因となる。
農の星は静かに細くなる
我が盤で最も憂うべきは「人」の気である。
米を育てるのは大地ではない。
人である。
農を継ぐ若者が減り、高齢となった農家が引退するたび、一枚、また一枚と田が静かになる。
木気が弱まるとは、命を育てる者が減ることでもある。
この流れは急には変わらない。
大規模農業や新しい技術は広がる。
AIや自動運転農機も普及していくだろう。
それでも、人が減る流れそのものはしばらく続く。
世界の気も米を揺らす
占術では国の運だけを見ない。
天地はすべて繋がっている。
海外で干ばつが起これば穀物価格は動く。
戦が起これば燃料が動く。
海が荒れれば物流が乱れる。
円が弱まれば輸入資材の価格も変わる。
こうして遠い国の出来事が、日本の一杯のご飯へと繋がっていく。
これを我は「天地一気」と呼ぶ。
一国だけで米価は決まらない。
世界の気もまた、日本の食卓を静かに動かしている。
五穀を守る新たな時代
しかし我は悲観ばかりを見ているのではない。
占盤には希望も映る。
新品種。
省力化農業。
精密農業。
衛星観測。
AIによる収穫予測。
これらは金気が生み出す新たな力である。
昔と同じ方法だけでは守れなかった田畑も、新しい知恵によって再び息を吹き返す土地が現れるだろう。
技術は農を奪うためではない。
農を未来へ残すために現れるのである。
食を粗末にする時代は終わる
我が宿曜盤には一つの教えがある。
「高価になったものほど、人はその価値を思い出す。」
長く当たり前であった米も、その価値を改めて見直す時代が訪れる。
一粒を大切にする心。
作る人への感謝。
食べ残しを減らす暮らし。
地元で育った米を選ぶこと。
それらは単なる節約ではない。
食運を整える行いでもある。
我が占断
我は断ずる。
米価格は今後も上がり続けるだけでも、下がり続けるだけでもない。
豊作の年には落ち着きを見せることもある。
政策によって一時的に安定することもある。
しかし長い目で見れば、気候変動、生産コスト、担い手不足などの影響により、価格は以前より高い水準で変動しやすい時代が続くと我は読む。近年も高温や供給不足、政策対応が価格に影響を与えてきた。
人は米を選ぶ時代から、米を守る時代へ入る。
五穀の運は国の運。
一杯のご飯を大切にする者は、自らの福を育てる者でもある。
天地は常に兆しを示している。
その兆しを知り、感謝を忘れず、日々の実りを大切にする者こそ、豊穣の運を受け継ぐのである。
これが、我が視た米価格の行方である。
